ファクタリングは、売掛債権を期日前に資金化できる画期的な資金調達方法です。しかし、審査がないと勘違いしてはいけません。たしかに金融機関の融資の審査に比べると審査基準は緩いです。

ファクタリングを利用する理由の大半は【緊急を要する資金調達】のためです。しかし、簡単にファクタリングできると油断した結果、審査に通らず資金繰りに翻弄する事態を招いてしまうことも。資金調達ができないため、経営自体に影響が出てしまう可能性もあるのです。今回は、ファクタリングの審査基準や審査通らない理由などについて詳しく解説していきます。

銀行融資の審査とファクタリングの審査の違いとは?

日本では、企業が資金を調達するためには、銀行からの融資が当たり前という考え方が浸透しています。しかし、銀行融資にのみ資金調達を頼るのは危険です。銀行の融資姿勢は、景気や経済環境で頻繁に変わります。銀行を監督する金融庁が、企業の倒産を減らすよう促せば融資に積極的になり、逆に融資を厳しくしろと促せば、手のひらを返したように融資審査が厳しくなるのです。

銀行融資とファクタリング審査に要する時間の違い

金融機関に融資を依頼し資金調達できるまでと、ファクタリング会社にファクタリングを依頼し資金化できるまでの時間は異なります。

 銀行融資 1ヶ月~2ヶ月
 ファクタリング 即日~数日

銀行融資では、新規の銀行に相談するのであれば、1ヶ月~2ヶ月程度時間がかかることは少なくありません。既に融資取引のある銀行からの借入でも、2~3週間かかることもあります。中小企業が銀行に融資申込すると、信用保証協会を利用することが多くなります。

信用保証協会を利用しての手順は、

1. 銀行に申込をする
2. 銀行の審査
3. 承認
4. 銀行から保証協会に申請
5. 保証協会審査
6. 承認
7. 結果回答
8. 借入条件決定
9. 契約
10. 融資

銀行と保証協会のそれぞれで審査が必要なため、審査が2回行われ、それぞれの審査で書類の提出や面談などが発生します。

それに対して、ファクタリングでは、

1. ファクタリングの申込
2. ファクタリングの条件見積もり
3. 申込人が条件確認
4. 取引が成立すれば即時買取

ファクタリングは、保証協会の必要もなく、ファクタリング会社での審査なので銀行に比べ、非常に速いのが特徴です。

銀行融資とファクタリングの審査基準の違い

銀行融資とファクタリングでは審査に要する時間も違いますが、審査対象にも違いがあります。

 銀行融資:借りる会社の信用が審査される
 ファクタリング:売掛先の信用が審査される

ファクタリング会社にとって、売掛債権の買取をするということは、ファクタリングの利用者よりも買取った売掛債権の売掛金を支払ってくれる売掛先の信用の方が重要です。銀行融資は受けられなかったが、ファクタリングは受けることができるのは審査対象の違いが大きく影響しているのです。

とはいえ、2社間ファクタリングの場合は、売掛先からファクタリング利用会社を経由してファクタリング会社に入金するため、申し込みをする企業経営者の誠実さや信用なども審査の要件に入ってくる場合があります。

ファクタリングであれば100%資金調達はできるのか?

銀行融資に比べると審査時間も早く、審査対象も利用者ではないため資金調達が早急にできます。しかし、ファクタリングで全ての売掛債権を売却しようとすれば、思わぬ落とし穴が待っているケースも。

ファクタリングの審査通過率はどのくらいなのか?

ファクタリングにも審査はあります。審査の審査通過率は、

 2社間ファクタリング 70%~80%
 3社間ファクタリング 40%~50%

というのが相場です。新規での銀行融資の審査通過率は平均30%ほどです。この数字からもファクタリングの審査の方が通りやすいというのは間違いありません。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで審査通過率に差がある理由

3社間ファクタリングの審査が通らない理由として、2つのことが考えられます。

1. 売掛先の承認が得られない

3社間ファクタリングでは、売掛先に売掛債権譲渡の承認をもらい、振込先をファクタリング会社の口座にしてもらう必要があります。売掛債権の譲渡は正当な取引ですが、売掛先の企業によっては交渉のテーブルにつかないなど、ファクタリング会社との取引ができないケースがあるのです。

2. ファクタリング手数料が安いのでリスクに見合わない

3社間ファクタリングの手数料は5%~10%程度が相場です。2社間ファクタリングのファクタリング手数料20%と比較すると、ファクタリング会社の利益率は低いです。利益率が低いということは許容範囲も狭くなるため、債権額によっては審査が厳しくなる場合もあります。

ファクタリングでも審査が通らないケースとは?

売掛先に通知することがなく、審査通過率が高い2社間ファクタリングでも、審査に通らないケースがあります。ファクタリングで審査するのは、主に「売掛先の信用力」です。ファクタリングの利用者の信用力が高くても、売掛先の信用力がなければ審査は通らないのです。

売掛先の何を基準としているか?

ファクタリング会社は、売掛先の評判や経営状態を隅々まで調べます。

 売掛先の経営状態が悪化している
 売掛先の資産が差し押さえされている
 売掛先が事業譲渡を検討している
 売掛先が破産、民事再生を検討している

このような形で、売掛債権の回収が見込めないケースが2割ほどあるということがあるため、ファクタリングの審査が通らないケースも少なくありません。

ファクタリングの利用者も審査対象となるケースもある

売掛先の信用力が審査対象となるファクタリングですが、利用する会社の信用力に大きな問題があれば、審査が通らない場合もあります。

 月商が買取額に対し少なすぎる
 事業歴が会社設立して間もない
 書類がそろわない
 面談の結果、経営者の誠実さが欠けている

このようなケースは利用者も審査対象となる可能性があります。その結果、

 売掛債権そのものがねつ造された
 取引先と共謀している可能性がある
 売掛先から入金されたお金を他の返済などに使ってしまう
ということにもなりかねないのです。少しでもリスクが感じ取れるケースにはら売掛先の信用力が十分であっても、ファクタリング審査に通らない可能性が出てくるのです。

ファクタリングの審査を把握して効率の良い資金調達を

ファクタリングは、銀行融資に比べると審査が緩いといわれます。そのこと自体は間違いではありませんが、審査がない訳ではありません。最近では、多くのファクタリング会社が設立されています。

ファクタリング会社の競争が激化し、ファクタリング手数料も安くなってきています。今後も様々な企業がファクタリング業に参入してくることが予想されています。新規参入ファクタリング会社の審査が通らなくても、審査の基本は大きく変わりません。何を審査されるのかをしっかり確認しておけば、次の手が打つことも可能です。審査ポイントを把握して、上手にファクタリングを利用することが、会社経営を安定させる秘訣なのです。