ファクタリングの限度額について

ファクタリングは、企業が保有している売掛債権を入金前に譲渡することで、最短即日で資金化をする資金調達方法のことです。売掛債権とは、商品やサービスをクライアントに販売したものの、まだ受け取っていない代金を請求できる権利のことです。売掛債権を事前に資金化できれば、財務状況の改善に繋がります。

しかし、保有している売掛債権を全てファクタリングすることには注意が必要です。今回は、ファクタリングの限度額や上限、下限について詳しく解説していきます。

ファクタリング金額の上限と下限

一般的な企業の取引の流れは、

1. 納入企業が支払企業へ商品・サービスを納品・提供する
2. 支払企業が納品内容を確認する
3. 納入企業が請求書を送付する
4. 支払企業が請求書にある支払期日までに納入企業へ入金する

売掛での取引は、納品から支払期日までに1ヶ月〜2ヶ月のタイムラグが生じます。万が一入金のタイミングが遅れると経費の支払いなどで資金繰りが悪化してしまい、最悪の場合、黒字倒産をしてしまう可能性もあるのです。当面のつなぎ資金としても有能なのがファクタリングです。

ファクタリングに上限はある?

ファクタリングの上限はファクタリング会社によってまちまちです。法律では上限がありません。売掛債権を譲渡する資金調達方法のため、融資と違い審査対象は売掛先になります。売掛先の経営状態などを審査され、売掛金の一部もしくはほぼ全額を資金化することが可能です。

しかし、保有している売掛債権を必要以上にファクタリングをすると、本来得られるはずの利益自体を目減りさせてしまうことにもなりかねません。緊急を要しないファクタリングは企業の資金体力を減退させることにも繋がります。多くのファクタリング会社では、過剰な資金調達を防止するために、月商の30%前後までの資金化が推奨されています。1億円前後の月商があっても、3000万円ほどの買取が多いようです。

ファクタリングに下限はある?

ファクタリングは、財務基盤が弱く、融資の審査が厳しい傾向にある中小企業にとって、資金繰りを改善させます。最近では、経済産業省も普及を進めていることから注目が集まっている金融工学です。中小企業の売掛債権の額は、数十万円〜百万円程が大半です。

最近では中小企業の小口債権のファクタリング会社も増えています。ファクタリング会社によっては、5万円からという所もあります。

注意しなくてはならないのが、手数料です。ファクタリングには手数料が発生するので、その手数料次第で手元に入る利益が目減りする可能性もあるのです。

会社の規模によって買取上限額が異なる

ファクタリング会社によって、資金調達の可能な金額は異なります。数十万円から受け付けてくれる会社もあれば、億単位の取引もできる会社も。ファクタリング会社の資金規模によって資金化可能な金額は変わってきます。

ファクタリング会社の種類

ファクタリング会社は3種類に分類されます。それぞれのタイプでファクタリングの買取限度額がありますので、自分を合うタイプのファクタリング会社を選んでください。

• 銀行系ファクタリング会社

資金力には申し分のない「メガバンク」を親会社にもつ、ファクタリング会社です。平均5%未満という手数料の安さ、銀行の信頼性の高さがあります。しかし、審査が厳しく(売掛元も審査される)3社間ファクタリングのみ取り扱っているというデメリットがあり、中小企業や個人事業者にとってはネックです。

• ノンバンク系ファクタリング会社

銀行系ではありませんが、国内外の大企業関連会社が親会社のファクタリング会社です。信頼性の高さに加え、資金も充実しています。2社間も3社間も扱っていますが、ファクタリング業以外にコンサル業も併用して行なっている場合が多いです。

• 独立系ファクタリング会社

メガバンクや大手企業系列・グループ会社ではない完全独立型のファクタリング会社です。事業規模の小さい会社が多いですが、その分スピーディーな審査が可能です。数十万円の小口利用にも対応しています。2社間ファクタリングに特化しているところもポイントです。

ただし、審査によっては手数料が20%や30%と銀行融資などに比べてはるかに高くなるケースもあります。

ファクタリング会社の資金調達額は、「独立系<ノンバンク系<銀行系」の順に大きくなります。調達可能額が大きくなればなるほど、資金調達前の審査は厳しくなります。

ファクタリングの取引方法

ファクタリングの取引方法は、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。

• 2社間ファクタリング

売掛先に売掛債権売却を知られることがありません。取引関係に悪影響を与えずに済むのがメリットです。ただし、ファクタリング会社に支払う手数料は10%〜20%程度が相場です。

• 3社間ファクタリング

売掛先に債権を買取してもらう旨の承諾が必要です。取引先に資金繰りが苦しいと取られる可能性もあります。取引先に通知するにあたり、きちんと売掛先との信頼関係が無いと、後々契約を切られてしまったりするネガティブな状態になるケースもあります。

3社間ファクタリングのみを扱っている銀行系ファクタリングは、売掛先に債権の売却を知られると信用問題に関わるため、中小企業にとってリスクが大きくなります。また2社間ファクタリングの扱いがあるノンバンク系ファクタリング会社でも、下限金額が数百万単位となるため、小額利用で急ぎの資金調達を望む利用者には向いていません。

独立系ファクタリング会社は、ほかの2つ比べ資金力がない分、手数料は高めですが少額のファクタリングも早急に対応してくれるので需要は高いです。

下限値が低い会社の需要が高まっている

銀行系ファクタリング会社は、中小企業にとってはハードルの高い規定がいくつかあります。また、2社間ファクタリングを取り扱うノンバンク系でも最低買取額が200万円以上の会社が多いのが現状です。

ファクタリングの目的

ファクタリングは、保有する売掛金債権を譲渡し、資金化する期間を短くすることが可能です。中小企業は財務基盤が弱いため、少額の売掛債権が積み重なるだけで資金繰りが悪化します。金融機関に融資を受けるにも、審査から実行までの期間は数週間程かかってしまうのです。

また、中小企業にとって売掛先が倒産すれば共倒れする可能性もあります。ファクタリングには償還請求権がある債権も存在します。償還請求権とは、売掛債権を売却した依頼側が背負うリスクの判断基準のことです。

2社間ファクタリングは基本的に償還請求権が無いため、債権者には返済義務が発生しません。中小企業にとっては、リスクヘッジとしてファクタリングを利用するケースも多くなっています。

上限より下限で見極めるファクタリング

ファクタリング会社にとって売掛債権が高額であるほど利益が出ます。また高額な売掛債権は信用度の高い債権も多く、ファクタリング会社にとってのリスクは少ないです。ファクタリング会社によっては3億までファクタリングが可能な会社もあります。

一方、中小企業にとって素早く資金調達ができるファクタリングは億単位の限よりも、利用価値のある少額ファクタリングが重要となるのです。

債権の種類や財務状況に合わせた会社選びを

ファクタリングで調達できる金額の上限はファクタリング会社によって異なります。法律上では上限がありません。しかし、上限無しだからと言って、債権額の全てを売却してしまっては本来得るはずの利益まで失ってしまいます。

ファクタリングは、つなぎ資金など緊急の資金調達に効果的な方法です。必要な資金を早急に対応する目的で、財務状況に合わせて上手に利用することをオススメします。