ファクタリング会社の収益は手数料です。しかし、手数料だけで会社を運営するための利益は確保できるのでしょうか。今回は、ファクタリング会社の利益を上げる仕組みについて紹介していきます。

ファクタリング会社の売上とは?

どんな職種でもそうですが、売上が無いと、利益は生まれません。ファクタリング会社の売上はファクタリング取引で発生する手数料から生まれます。そこから必要経費を差し引いた分が利益になります。

ここで気になるのが、ファクタリングの種類によって手数料がかなり違うという点です。2社間ファクタリングや3社間ファクタリングの買取ファクタリングと、売掛債権の貸し倒れリスクを予防する保証ファクタリングではどのように手数料が違うのでしょうか。

買取ファクタリングの手数料

買取ファクタリングは、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで手数料率が異なります。2社間であれば10%~30%、3社間であれば5%~15%が相場と言われています。買取ファクタリングの手数料は、その買取方式によって差が生じます。後ほど詳しく解説しますが、一般のファクタリング会社の売上は買取ファクタリングの手数料から生まれているのです。

保証ファクタリングの手数料

保証ファクタリングは、売掛債権を補償する期間に手数料を掛けます。10%の手数料で90日の保証であれば、300万円×10%×90日÷365日=73,900円。この金額が、保証ファクタリングによるファクタリング会社の売上ということです。

ただし、保証ファクタリングは保証期間が長くなればなるほど、回収が不可能になる場合が多いリスクの高いファクタリング取引です。売掛先の与信情報や、経営状況によっては、回収不能というリスクに備えて50%以上の手数料を請求されるケースもあります。

ファクタリング方式で異なる“売上”

買取ファクタリングが、ファクタリング会社のメイン商品ですが、ファクタリング方式によって売上高も大きく異なります。また、買取後の回収リスクなどを踏まえると、手数料率の高い2社間ファクタリングは利益率が高くとも、貸し倒れの危険性もあります。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリング。どちらがより大きな利益を上げているのでしょうか。リスクとリターンという観点からまとめていきます。

ハイリスクハイリターンの2社間ファクタリング

2社間ファクタリングを専門にしている会社も多く、民間のファクタリング会社のほとんどは2社間ファクタリングを推しているのが現状です。2社間ファクタリングの特徴は、
 売掛債権譲渡通知が原則不要
 手数料が高い
 売掛先から直接ファクタリング会社に入金されるのではなく、一旦売掛元(申し込み企業)を経由して入金される
などが挙げられます。

利用者にとっては、即日資金化や売掛債権譲渡通知をしなくても済むため、売掛先との関係悪化を予防できると人気です。しかしファクタリング会社にとっては、ハイリスクハイリターンのファクタリング方式といえます。どうしてハイリスクなのかというと、ファクタリングをした後に、売掛先の経営状態によっては売掛金の回収ができなくなる可能性があるためです。

手数料が高いため収益性が高いように見えますが、売掛金の回収ができなければ損にしかなりません。まさにハイリスクハイリターンのファクタリング取引といえます。

ローリスクローリターン?の3社間ファクタリング

ハイリスクハイリターンの2社間ファクタリングと対を成すのが、売掛元と売掛先、そしてファクタリング会社の3者で行なわれる3社間ファクタリングです。2社間ファクタリングの手数料相場に比べると、半分程度の手数料です。

3社間ファクタリングのメリットは、売掛先から直接売掛債権が支払われるという点です。2社間ファクタリングと違い、売掛元を経由しないため、万が一売掛元が売却済みの債権を使い込むという心配がありません。また、売掛先の倒産などによって売掛金が回収できない場合、管財人としての権利を持っていることもメリットです。

簡単にいうと、ファクタリング済みの売掛債権のとりっぱぐれがないのです。では3社間ファクタリングは、本当にローリスクローリターンなのでしょうか。考え方にもよりますが、ローリスクミドルリターンであるという見方が大勢を占めています。

2社間よりも3社間の方がファクタリングする金額上限が高いです。売掛先の信頼にもよりますが、その額は数千万円~数億円規模になるケースも少なくありません。手数料5%で5000万円のファクタリングだとすれば、5,000万円×5%=250万円が利益です。2社間ファクタリングで5,000万円もの金額をファクタリングするのはかなり稀です。20%の手数料だとすれば、5,000万円×20%=1,000万円が利益になります。

しかし、万が一回収不能になってしまったばあい、売上としての1,000万円はおろかファクタリングで捻出した金額も回収できないため、5,000万円まるまる損をしてしまうのです。

そう考えると、3社間ファクタリングは売掛債権の金額によってローリスクミドルリターンであるといえます。

一番収益が高い業種は?

2社間ファクタリングや3社間ファクタリングで異なる利益率になるのは分かりましたが、ではファクタリング取引の中で最も収益が高い業種は何になるのでしょうか。

医療系ファクタリングは金の成る木

最も確実で収益率が高いのは、医療・介護系ファクタリングです。医療・介護系ファクタリングの売掛先は、健康保険組合もしくは社会保険組合です。倒産で回収不能になることはまずありません。ましてや元々単価が高い医療費ですから、手数料をかなり下げても充分に収益につながるのです。

民間ファクタリング会社の多くが、医療系ファクタリングを個別に扱っていることをアピールしているのは、上記のような事情があるためなのです。

最もおいしいのは“継続利用“

ファクタリング会社が売上を立てるには、ファクタリングを利用してもらう必要があります。ファクタリング本来の目的は、資金繰りを改善させるための金融工学という側面と、黒字倒産の危険性があるのに融資が受けられない企業のための駆け込み寺という側面があります。

後者で利用する中小企業が多いですが、ほとんどが単発での利用で二回目以降は利用しなくなるケースが多いです。単発での利用ということは、同じ顧客から1回しか売上を立てられないということです。小売店などは、常連客の売上が利益の大半を占めています。常連客が作れないお店は潰れていくのが運命なのです。

ファクタリング会社も同じです。常連の顧客を掴めなければ、高いお金を払って広告を打たなければいけませんし、お金にならない金融相談などで無駄に経費を使ってしまいます。営業もしかりです。ファクタリング取引だけに集中できているファクタリング会社は数える程度なのがファクタリング業界です。

こうした背景があり、二次利用や三次利用をしてくれる顧客は、売上に貢献してくれるため最もおいしいのです。

ファクタリング会社の利益=手数料だけではない

ファクタリング会社の利益の上げる仕組みについて解説してきました。ファクタリング会社はビジネスモデルとして盤石な金融会社ではありません。常に回収不能というリスクがあり、法律できちんと定められていない手数料がそれぞれの会社の売上を圧迫しているのです。

そんな中でも手数料を低く設定して、良心的なサービスを展開しているファクタリング会社は、信頼のおける会社といえます。自社の利益を二の次にしても利用者に寄り添ってくれる金融会社はまさに救世主です。自分の会社の財務状況を改善するためにも良心的なファクタリング会社を探してくださいね。