中小零細企業にとって死活問題になるのが「資金繰り」です。近年注目されている金融工学「ファクタリング」をご存知ですか?融資と違って将来的な借金にならないため、資金力の低い中小企業を中心に資金繰りを改善する一手として利用が増加しています。

そんなファクタリングですが、最近は悪質な業者も多くなってきました。中には、闇金業者のような取り立てや恐喝をしてくる悪質な業者がいるようです。今回は、ファクタリングの悪質業者について詳しく解説していきます。

ファクタリング=闇金業者?悪徳業者?

ファクタリング自体それほど知名度の高い金融工学ではありません。日本では高度経済成長期の1970年代に導入されましたが、当時は現金や手形取引が主流なこともあり、あまり日の目を見てこなかった金融工学です。最近は闇金業者によるファクタリング詐欺事件が起こったこともあり、ファクタリングに対する世間一般の目は厳しいものになっているのが現状なのです。

ファクタリングのイメージを悪化させる悪質な業者たち

ファクタリング取引自体は昔から行われてきましたが、近年の不景気や銀行の貸し渋り問題などが端を発して、売掛債権を資金化するファクタリングに注目が集まってきました。しかし、どんな業界にも悪いことを考え付く人はいます。

ファクタリングの手数料詐欺や情報弱者を狙った悪質な業者がはびこっているのです。中には、以前まで闇金業者として営業していた犯罪グループも、ファクタリング業界に進出し始め、ファクタリングの評判を落としていることも事実なのです。

ファクタリングは経産省も推奨する金融工学

ファクタリングは、日本政府の経済産業省も推奨している金融工学です。将来的な借金にならず、資金繰りを改善させられるため、資金力の低い中小企業にファクタリングの利用を推奨しています。しかし、ここで1つ問題が。

ファクタリングの利用を推奨しているといっても、ファクタリングに関する法的整備が不完全なのは、ファクタリング業界の常識です。手数料の上限値などが法で定められているわけでもないため、業者間でファクタリング手数料の相場を判断して、営業しているのが実情です。

2020年4月から施行される改正債権法では、ファクタリングに関する法律が変更になったものの、手数料などに関しては定められていないままなのです。法の未整備が結果的に悪徳業者に付け入る隙を与えてしまい、多くの中小企業経営者たちが大事な資産を食いつぶされる被害に遭っています。

なぜ闇金業者がファクタリングに鞍替えしたのか?

ファクタリングの悪質業者の中には、以前まで闇金業者として営業していた業者もあります。どうして闇金業者が、ファクタリング業界に鞍替えしたのでしょうか?その背景について解説していきます。

貸金業法改正がきっかけ

法で定められた利息を超えて、現金の貸し付けを行なっていたことが社会問題になり、2003年と2006年に貸金業法の改正が行なわれました。多くの闇金業者の摘発に成功し、貸金業は限られた一部の会社にだけ認められるようになりました。

稼ぐ場所を失った闇金業者たちが新しい稼ぎ場に選んだのが、ファクタリング業界です。闇金の場合は、対個人に小口の融資を行なって暴利を搾取する手法でした。ファクタリングは個人ではなく、法人や個人事業主といった企業が対象です。当然動かす金額も多くなりますし、利益も闇金に比べてはるかに高いことから、多くの闇金業者がファクタリング業界に鞍替えしているのです。

2017年には逮捕者も

2017年には、ファクタリング業界で初の逮捕者が出ました。ファクタリング会社と偽って、実質的には闇金業を行なっていた2つの事業所が摘発されました。売掛債権の買取を装って、実質は高い利率で貸し付けを行なっていたとして、貸金業法違反の疑いで摘発されています。

実はこの事件には、前述したファクタリングの法的未整備が問題の元凶となっていることがわかります。ファクタリング業者には、貸金業者のような営業許可が必要ありません。そのため、闇金業者が隠れ蓑として使いやすいという側面を生んでしまっているのです。

実際、逮捕されたファクタリング業者を報じるニュースでも、「ファクタリング業者を隠れ蓑にして闇金業を営んでいた」という風に記述されています。闇金業者がファクタリング業界に蔓延している事実が白日の下にさらされた事件だったのです。

ファクタリングにおける悪徳業者や闇金業者に引っかからないためには?

ファクタリングの悪徳業者や闇金業者に引っかからないためには、自己防衛が基本になります。ファクタリング知識の向上ももちろんですが、それ以外にどのような方法があるのでしょうか?

悪質な業者の手口や特徴を知る

悪質な業者の被害に遭わないためには、悪質業者の手口や特徴を知ることも重要です。資金繰りが悪化して、切羽詰まっているのは理解できますが、安易に手数料の安さなどでファクタリング業者を選ぶと、後々大変な事態になる場合もあるのです。

悪質な業者の手口の基本は「看板に偽りあり」です。ホームページなどを作り込んで、見やすくしてはいますが、契約になった際にホームページの内容と乖離しているというケースは注意が必要です。「手数料は業界最安値の1%から!」などと銘打っている場合、3社間ファクタリングであれば問題ありませんが、2社間ファクタリングで手数料1%を謳っていた場合、悪質業者の可能性が大きくなります。

他にも悪質なファクタリング業者の手口と特徴を一覧にしましたので確認してください。

 ホームページで、手数料率や代表者名、資本金額や設立年月の記載が欠けている
 ホームページで記載されている住所を検索したらレンタルオフィスやマンションの一室だった
 連絡があった際に代表番号ではなく、携帯電話から来た場合
 事務所(事業所)への訪問を断られる
 審査に必要な書類が極端に少ない
 契約を迫られる
 契約書類の控えがもらえない
 振込ではなく現金での取引を求められる
 売掛金額と全く関係のない金額で契約を求められる(実は担保融資だったケースも)

これ以外にも怪しいと感じた項目があったら、その業者の利用は控えることをオススメします。

金融に強い弁護士に相談する

金融取引の中で最大の味方は「法律」です。ファクタリングは法的整備がされていない金融工学ではありますが、悪質な業者が行なう取引は法で取り締まることが可能です。そんな時に助けになるのが、法の番人である「弁護士」です。

金融関係に強い弁護士であれば、悪質な業者が行なう契約から利用者を守れる可能性が高くなります。ファクタリング契約と同時に、企業の金融取引専門の弁護士にも相談しておくと鬼に金棒です。

悪質業者から大切な資産を守れるのは自分だけ

悪質な業者は常に付け入る隙を探っています。大切な資産を守れるのは、企業経営者であるあなただけなのです。今回紹介した手口などを参考にして、悪徳業者から大切な資産を守れるようにしておくことが重要なのです。