ファクタリングで審査される3つの照会情報 登記・帝国データ・東京商工

ファクタリングで審査される3つの照会情報 登記・帝国データ・東京商工ファクタリングの基礎情報

日本はファクタリングでの資金調達は、それほど一般的ではありません。しかし、ファクタリングは融資と異なり、利息も返済義務もない資金調達の方法です。その上、ファクタリングは審査が緩いといわれています。

しかしファクタリングを利用したからといって全ての審査が通る訳ではありません。ファクタリングの審査基準は、融資に比べるとどこに基準があるのかわかりにくいのが現状です。融資審査ではあたり前の手続きとして行われるのが、信用情報機関への情報照会です。ファクタリングもお金を扱う金融工学であるため、信用情報機関のような照会機関は存在します。

今回は、ファクタリング審査の目的と、照会情報機関について詳しく解説していきます。

ファクタリングの基本

日本でファクタリングでの資金調達が本格化したのは1970年代です。しかし日本では、金融機関からの融資で資金調達をするのが主流でファクタリングは浸透しませんでした。バブル期になるとファクタリングの需要は一気に加速し、ファクタリング会社も増加していきます。

2社間ファクタリングか3社間ファクタリングの違い

ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。

2社間ファクタリングの2社とは

  1. ファクタリング会社
  2. ファクタリング利用者

のことを指します。

3社間ファクタリングの3社とは

  1. ファクタリング会社
  2. 売掛先企業
  3. ファクタリング利用者

のことです。

参照 2社間ファクタリング

 
参照 3社間ファクタリング

 

2社間ファクタリングも3社間ファクタリングも厳密には3社が関わっています。本来の姿としては、売掛先に債権譲渡の事実を知らせる必要があります。

つまり必然的に売掛先企業にファクタリングを利用していることが伝わってしまいます。すると資金繰りがうまくいっていないのかもと売掛先に余計な不安を与えてしまうことになります。その影響で契約の見直しが行なわれるなどネガティブな状況になる可能性もあります。

売掛先にファクタリングすることを知られないために作られたのが2社間ファクタリングです。ファクタリング会社と利用者だけでファクタリング契約を結ぶ仕組みとなっているため、売掛先にファクタリングを利用していることはわかりません。売掛先へのファクタリングの通知義務が無いのです。

売掛先にファクタリングをすることを知らせるのが3社間ファクタリングとなります。売掛先にファクタリングを利用したことが知られてしまうというデメリットはありますが、ファクタリング会社の手数料が低くなるメリットがあります。

ファクタリングの手数料

ファクタリング会社が利用者に請求する手数料は、2社間ファクタリングの場合、平均20%ほどです。しかし、ファクタリング会社の増加により2社間ファクタリングでも平均15%と年々安くなっているのが現状です。利用者にとってはありがたいことですが、ファクタリング会社にとっては収益の減少に繋がります。

手数料が引き下げられれば、より信用度を求められます。ファクタリングの審査と手数料の関係は

■ファクタリング手数料が高い場合
ファクタリング会社のリスクが高いと判断された場合、手数料も高くなります。また審査も厳しくなりやすくなります。

■ファクタリング手数料が安い場合
ファクタリング会社のリスクが低いと判断された場合、手数料は低くなります。審査も若干緩くなる可能性はあります。

「ファクタリング会社のリスク」というのは、出したお金がしっかりと戻ってくるかどうかということです。ここが一番重要なポイントなのです。

ファクタリングは、事業者の持つ売掛債権をファクタリング会社が購入するところから始まります。たとえば売掛債権が1000万円だったとします。それを手数料を引いた900万円で購入するのです。

しかしこの段階ではファクタリング会社に儲けはありません。900万円出してしまっているので、実質的にはマイナス900万円なのです。

その後、事業者の売掛先から1000万円が事業者に入ってきて、それを事業者がファクタリング会社に送金することで、一連のファクタリング契約が終了します。

ファクタリング会社としてはマイナス900万円でしたが、1000万円が入ってきたことによりプラス100万円となります。これが手数料です。この段階で初めて利益が確定するわけです。

いずれにしても1000万円が入ってこないことには、マイナスの状態となってしまうのです。この1000万円が入ってくるか否かは、事業者やその売掛先の影響を受けます。売掛先の会社は倒産しないのか?事業者と売掛先は継続的な取引をしているのか?差し押さえ等のリスクは存在しないかなど、総合的に判断し、最終的に利益につながりそうと判断した段階で売掛債権を購入します。

ここをリスクで判断し、間違いなく利益になると判断できれば手数料を低くすることができます。しかしもしかしたら1000万円入ってこないかもしれない・・・と思ったら、審査で落としてしまうかもしれませんし、手数料を高くするかもしれません。

参照 ファクタリングの手数料の相場

 

審査をする目的はなにか?

ファクタリングの審査は融資ほど厳しくありません。しかし、売掛債権を買い取るにはそれなりの審査に通らないとファクタリングはできないのです。

売掛債権が確実に存在している売掛債権か?

ファクタリング会社にとって売掛債権が実在していることが大前提です。

  • 売掛債権のねつ造はないか?
  • 売掛債権の提供役務が不明瞭なものではないか?
  • 売掛債権が一過性のものでないか?

実際に悪質な利用者が架空債権などをファクタリング取引した金融事件も起こっています。そのため、ファクタリング会社はさまざまな売掛債権の証明資料(エビデンス)の提出が求められるのです。

持続性のある売掛債権なのか?

売上には単発の売上と定期的な売上の2種類があります。ファクタリング会社で優遇されるのは後者です。

毎月、安定している売上なら、1ヶ月分の前倒しをしても経営全体への打撃は少なく、売掛金回収の確実性も上がります。反面、新規取引先や季節性の激しい取引は、継続性と未回収リスクを考慮する必要があるのです。

利用者の人柄が重視される。

意外なことですが、利用者の人柄はファクタリングの手数料率に関わってくる場合があります。

ファクタリング会社は融資ほど掘り下げた審査をしない(売掛先の財務状況などをメインに審査する)ため、人と人との信頼関係を重視します。面談を通して、利用者がどのくらい信頼できるかを見極めて、手数料率を決定する材料の1つするケースもあるのです。

参照 審査を通しやすくするために必要な3つのポイント

 

ファクタリングを利用したら信用情報には掲載される?されない?

融資では審査をすれば、データは情報会社によって開示され金融機関で情報を共有します。

照会情報機関とはどのようなところなのか?

信用情報は、銀行融資やビジネスローンの審査では需要なものとして扱われます。信用情報というのは

  • 借入がどのくらいあるのか?
  • 借入先はどこなのか?
  • 正常な返済を続けているか?
  • 過去に返済事故を起こしていないか?
  • 保証人は誰か?

など、企業の借入のほぼすべてのことが掲載されている金融機関のデータベースを指します。

全銀協やJICCなどいくつかの信用情報機関が情報を保有しています。ファクタリングの照会情報機関で代表的なものとしては以下の3つが挙げられます。

  • 登記情報提供サービス
  • 帝国データバンク
  • 東京商工

債権譲渡登記を行なってファクタリング会社と契約中は融資審査が厳しくなる

債権の譲渡自体は信用情報に記録はされませんが、ファクタリング契約中に融資を申し込むのはオススメできません。

金融機関は、融資を申し込んだ企業の財務状況を審査します。その際に、売掛債権の譲渡を行なっているという事実があれば、資金繰りが難航している=融資をしても貸し倒れの危険性が高いという風に判断されます。

もちろん、ファクタリング自体は合法的な金融工学ではありますが、銀行にとっては将来的な融資返済の足かせとして見られてしまう可能性もあるのです。

ファクタリングの主な審査対象は売掛先であり利用者ではない

ファクタリングは、利用者よりも売掛先の信用性が重要視されます。そのため、売掛先は徹底的に調査されます。

調査方法は、直接相手先に連絡が行くような心配はありません。帝国データバンクや商工リサーチ、行政機関の所持する登記情報開示などによって知ることが可能です。

また、ファクタリング会社の中にはナイトワーク系や風俗業界、ギャンブル業界といった売掛債権の買取を拒否するケースもあります。銀行系ファクタリング会社では、反社会的勢力との取引にも敏感です。警察庁・金融庁で整備された反社会的組織リストなどと照らし合わせて審査される場合もあります。

ファクタリング審査で照会される信用情報機関の情報次第でファクタリングの可否が決まる

ファクタリング審査で照会される売掛先の情報次第でファクタリングの可否が決まります。特にファクタリングは売掛債権を購入した後に、戻ってこないリスクがある金融工学です。ファクタリング審査を問題なく通過するためには、照会情報機関に掲載されている情報も影響することを頭に入れておきましょう。

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