ファクタリング業者の中には、本当に申し込み企業に寄り添った対応をしてくれる優良業者と、会社の利益のみを追求して、法スレスレのところで対応する悪徳業者がいます。実際、逮捕業者も出ていることから、実害を受けた経営者も少なからずいるのが現状です。
悪徳業者の多くには共通点があります。自分が選んだファクタリング業者の是非は、自分でしか判断できません。悪徳業者の共通点を覚えておくことで、犯罪被害に遭わないようにすることも経営者の務めです。今回は、優良な業者と悪徳業者を見分けるポイントをそれぞれ3つに絞って詳しく解説していきます。
優良業者と悪徳業者の違いとは?
優良業者と悪徳業者それぞれの違いとは一体どんなことがあるのでしょうか?多くの違いが挙げられますが、その中でも特に分かりやすいのが、それぞれの目的を達成するための道のりです。組織であるため、売上と利益を求めるのが当たり前ですが、それを達成するまでの在り方に大きな違いがあるのです。
優良は依頼者の成長によって利益を得る
優良業者最大の特徴は、「WIN WIN」であることにこだわった営業方針です。ファクタリングを申し込む企業とそれを受けるファクタリング業者が、売上や利益を相乗効果でお互い達成できるという考え方でなければいけません。特にファクタリングは、お金を扱う金融工学であるため利用者とファクタリング業者の間に信頼関係が無ければ成り立ちません。
ファクタリングを申し込む企業が成長することで、申し込まれた業者にも売上や利益が発生するという基本的な概念で営業しているのが優良業者の最大の特徴ともいえます。
悪徳は企業から搾り取る
悪徳業者は優良業者と違い、「WIN LOSE」の営業方針が基本です。ファクタリング業者は常に上の立場で、ファクタリングを申し込んだ企業から、どれだけ手数料などの売上を上げることができるかという考え方です。信頼関係を築くことはできませんし、場合によっては早くファクタリングを済ませて関係を解消したいと考える利用者も少なくありません。
法に触れるようなことを堂々と行なって、どれだけ一社から売上を搾取できるのかが営業方針なのです。
優良業者の3つのポイント
優良業者を見分けるためにチェックすべきポイントを3つに絞りました。
それぞれを詳しく解説していきます。
法的に必要な手続きを100%行なう
優良なファクタリング業者は、債権譲渡に必要な法的手続きを100%行ないます。債権譲渡登記はもちろん、印鑑証明などの基本的な法的書類の提出なども確実に行なわれるのです。ファクタリングは、法的な整備が未完了の金融工学です。
そのため、法的な手続きに関しては各ファクタリング業者の判断にゆだねられているのが現状です。例え法的整備がされていなくても、現状のファクタリングで懸念される法的手続きを行なうのは、ファクタリング取引について、不安要素を少しでも感じさせないようにするための1つの責任です。
レストランで食中毒を出さないようにするのが、企業の責任なことと同じように、ファクタリングによるネガティブな結果を生まないようにケアしているのも優良業者の証といえます。
手数料が相場周辺で現実的
ファクタリングの手数料は法的な整備がされていません。そのため、業者間での相場やファクタリング業者の売上などを考慮した現実的な手数料相場になっていれば、悪徳業者ではないと判断できます。
悪徳業者の中には、2社間ファクタリングで手数料5%というように、リスクに対する手数料割合が極端に低い場合があります。貸し倒れの危険性がある2社間ファクタリングで5%の手数料では、割に合わないのです。
手数料相場にファクタリング業者の利益を踏まえた金額でファクタリング取引を行なってくれるのは、それだけファクタリングに対して真摯に考えている証拠でもあります。
参照 ファクタリングの手数料
コンサル業などでファクタリング以外の金策を提案してくれる
優良業者と言われている会社の多くは、ファクタリング以外の金策を提案してくれるところが多いです。ファクタリング業に加えて、金融コンサルタント業も併用しているところもあります。自社のメインサービスがファクタリングであっても、それを押し付けることはしません。ファクタリングを申し込んだ企業に最適な金策を提案してくれるのも、優良業者であると判断できるリソースになります。
悪徳業者の3つのポイント
悪徳業者を見分けるのは次の3つのポイントです。
それぞれを詳しく解説していきます。
契約時の手数料が掲載情報と大きく異なる
ファクタリング契約ではじめて目にする手数料が、ホームページなどで掲載されている手数料と大きく乖離している場合は、悪徳業者の可能性が高いです。格安な手数料で利用者を募り、実際の契約では掲載時の手数料から大きく異なる金額を提示されるのは悪徳業者の常套手段です。契約時まで手数料などを明かされない場合も、悪徳業者の可能性が高くなります。
契約書の控えなどを渡されない
どんな契約にも「控え」は発生します。契約控えがなければ、業者側で勝手に契約書を改ざんされ、詐欺被害などで訴えられた際に、弁護士でも太刀打ちできないような状況を作るという悪質な方法もあります。
契約書の控えはもちろん、見積もり書の控えすらも渡されない場合は、悪徳業者かも知れないと一度立ち止まって検討しなおすことをオススメします。
ホームページ上の情報が少ない
ホームページでは、ファクタリング業者の情報が多く掲載されています。代表者名や手数料の目安、会社の住所などを掲載していない場合は悪徳業者の可能性が高まります。会社情報の公開は、まっとうな会社であれば必ず提示するのが当たり前です。
基本的な会社情報を調べることができないのは、後ろめたいことがあるからと疑われてもおかしくありません。ファクタリングを検討するのは、資金繰りが切羽詰まっている状態になってからです。資金調達をしなければならないという焦りから、会社情報のチェックもせずに契約を行なうのはかなり危険です。
優良or悪質を見極めて効率的な資金調達を
ファクタリングを申し込んだ相手が、優良業者か悪徳業者と判断するのは、経営者であるあなたの役目です。大切な資産である売掛債権を資金化するためには、それ相応の知識も必要です。
業者の良し悪しの判断も重要ですが、それ以前に優良業者か悪徳業者かを見極めることも重要なポイントです。契約の段階で少しでも「あれ?」と感じたら、遠慮をせずにきちんと疑問を解決すること頭に入れておきましょうね。
参照 優良ファクタリング業者の見分け方 悪徳業者を見分ける3つのポイント