ファクタリング後の不渡り 利用者への影響はどうなるのか?

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悪徳業者の3つのポイント

ファクタリング後の不渡り 利用者への影響はどうなるのか?

不渡りとは、手形や小切手、売掛債権などが決済期日を過ぎても代金の支払いがされない状態を指します。ファクタリングで期日前に資金調達を行ってから不渡りになった場合、利用者には2つの道が待っています。ファクタリングで得た資金の返却義務と返却不要の道です。行先を決めるチケットの違いは「償還請求権の有無」です。

不渡りで天国行きか地獄行きかを決めるのは償還請求権の有無

不渡りで天国行きか地獄行きかを決めるのは償還請求権の有無

売掛債権の不渡りは、売掛元だけに影響がある訳ではありません。ファクタリングによって早期資金化をしていた場合、債権を買い取ったファクタリング会社も大きな損益を出してしまうのです。

ただし、償還請求権無しの契約では、不渡りのリスクはファクタリング会社だけとなり、利用者の損益は「手数料」と「掛け目」のみになります。

償還請求権無しのファクタリングが主流

ファクタリング業界では「償還請求権無し」の債権買取が主流です。利用者は不渡りのリスクヘッジもできますし、ファクタリング会社としても利用客を増やすために特典やメリットとして「償還請求権無し」を訴求できるからです。

ファクタリング会社は全国に100社以上あります。ほとんどの民間会社では「償還請求権無し」の取引がデフォルトです。償還請求権有りが条件の会社の場合、利用者としてはリスクヘッジができないため、償還請求権無しの会社に顧客が流れてしまうのです。

そもそも償還請求権とはファクタリング会社の保険

ファクタリングの償還請求権とは、資金化した売掛債権が不渡りになった場合、利用者へ支払っている債権売却額の返却請求ができる権利です。

売掛債権には、生命保険や事故保険のような万が一に対応できる保険がありません。不渡りになるような債権を買い取らないようにするために、債権や取引先の審査が行われるのです。

償還請求権が無いファクタリングのメリットとデメリット

償還請求権が無いファクタリングのメリットとデメリット

償還請求権無しファクタリングのメリットとデメリットです。

【メリット】
利用者側にリスクが無い

【デメリット】
手数料が割高になり、掛け目が低くなる

メリット 利用者側にリスクが無い

ファクタリング後に不渡りになったとしても、償還請求権無しの場合は利用者にファクタリング支払い金を請求できません。不渡りのリスクごと、ファクタリング会社に売却譲渡するのが「償還請求権無し」のファクタリングなのです。万が一取引先が倒産した場合でも、売掛債権は期日前に資金化しているため、売掛元である利用者の損は、ファクタリング会社に支払う手数料のみとなります。

同じようなシステムで銀行や銀行系ファクタリング会社が行っている「保証ファクタリング」があります。保証ファクタリングは不渡りになった場合のみ、債権額の一部を保証する金融商品です。リスクヘッジという部分では民間のファクタリングと同じですが、資金入手という部分では「保険」の要素が強いのです。

デメリット 手数料が割高になり、掛け目が低くなる

ファクタリングには、利用者と債権買取会社の間で行われる「2社間ファクタリング」と、2社間ファクタリングに取引先を加えた「3社間ファクタリング」の2種類があります。それぞれ手数料が異なります。

  • 2社間→10%~30%
  • 3社間→5%~15%

償還請求権無しのファクタリングでは、高めの手数料になる可能性があるのです。手数料は売掛債権総額に掛かる割合であるため、債権額が大きい建設業などは数十万円~数百万円の損になります。

掛け目とは、手数料とは別の「留保金」です。取引先から売掛金が入金され、ファクタリング会社に送金された段階で、留保金として資金化していなかった売掛金が入金されます。割合的には10%~30%(売掛債権の70%~90%が資金化できる)が相場です。

償還請求権無しのファクタリングでは、掛け目割合が70%程度まで下がる可能性があるのです。

償還請求権有りのメリットは手数料の安さのみ リスクは高い

償還請求権有りのファクタリングは、メリットが「手数料の安さ」のみで、デメリットがかなり大きいです。不渡りになった段階でファクタリングで得た資金を返済する義務が生じ、取引先が倒産してしまうと、共倒れ倒産になる可能性も高くなるのです。

不良債権と分かっていて偽装した事件が実際に起こっていた

不良債権と分かっていて偽装した事件が実際に起こっていた

償還請求権無しのファクタリングが現在の主流ですが、利用者と取引先が結託して、不良債権のファクタリングを行い、違法に資金を搾取する事件も起きています。しかし、利用者と取引先との関係を示す書類が不足していることなどから、捜査が行き詰っている状態にあります。悪質な償還請求権詐欺としてファクタリング業界で問題視されているのです。

不良債権と分かってファクタリング申込をするのは詐欺罪に当たる可能性もある

不良債権と分かっている売掛債権をファクタリング会社に持ち込んで、資金調達するのは詐欺罪に当たる可能性もあります。中には詐欺目的で売掛債権を作り、計画的に倒産させる事案も発生しています。

債権額が巨額であればあるほど審査が厳しくなるのは、こうした過去の詐欺事件の影響もあるのです。

ファクタリング以外の不渡りリスクヘッジはあるのか

ファクタリング以外の不渡りリスクヘッジはあるのか

売掛債権の不渡りは、売掛元にとって大きな損害です。ファクタリング手数料の比ではありません。業種によっては数億円規模の損害になる可能性も秘めています。ファクタリング以外で売掛債権の不渡りリスクを補完する方法はあるのでしょうか。

中小企業倒産防止共済制度

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「中小企業倒産防止共済制度」通称経営セーフティ共済は、売掛債権の不渡りなどによる連鎖倒産や経営資金難を防ぐ制度です。無担保・保証人無しで掛金の最高10倍(最大8,000万円)まで借入が可能です。掛金や損金を必要経費に算入できる税制優遇制度も受けられます。

この制度とファクタリングの違いは「借金か否か」です。ファクタリングは売掛債権の売却益が資金になるのに対し、共済制度はあくまでも「借入」つまり借金です。将来的に返済しなくてはいけないため、経営資金が潤沢ではない企業にとって厳しい金融商品になります。

借金をすべて否定する訳ではありませんが、資金状態が不安なままで共済に加入するのは、熟慮しなくてはいけません。将来的な予算などを踏まえたうえで検討してください。

不渡りのリスクヘッジはファクタリングが効果的である

不景気や諸外国との為替レートの変動など、様々な外的要因で中小企業の経営資金難は起こります。あてにしている売掛債権が不渡りになってしまうと、経営そのものに大きな影響を与えてしまいます。不渡りのリスクヘッジとしてファクタリングはメリットが多い手法なのです。

効率的な資金繰りで経営を安定させるためにも、ファクタリングは有効な一手になるのです。

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