農業のファクタリング活用方法と注意点

日本の食と住を支える農業ですが、担い手不足や資金繰りの悪化などにより、従事者が徐々に少なくなっています。担い手不足や資金繰りの悪化は別問題ではありません。資金繰りの悪化が担い手不足につながっているのです。

ファクタリングは、売掛債権の支払い期日前に資金調達ができる「金融工学」です。JAのような協同組合では、組合員に対して事業性融資などを行っていますが、結局は「借金」でしかありません。借金には利息が付き、利息を支払うために体に鞭打って働かなければならないという「悪循環」も、担い手不足の原因です。

農業の資金繰りを解決できる「ファクタリング」をどのように活用すべきかと、利用する際の注意点について解説していきます。

農業が資金繰りに陥りやすい原因

農業は日本において重要な産業です。日本の食料自給率はカロリーベースで38%ですが、主食であるお米は100%、野菜は79%とほぼ日本産だけで賄えるのが特徴です。

しかし、「担い手不足」という大きな問題を抱えています。担い手不足は業界の高齢化につながります。こうした担い手不足に陥りやすいのは「収入の不安定さ」が大きな原因です。

入金サイクルと繁忙期の違い

どの業種も、売上を出すためには仲介業者などを通します。JAや青果市場仲介業者にあたります。こうした仲介業者は、売上をひとまとめにして、決められた日に入金するのが一般的です。

出荷したからといってすぐに資金にはなりません。また、入金サイクルが資金の必要な繁忙期にマッチしていないのも資金繰りが悪化しやすい要因です。

農業であれば、播種や収獲時に経費が掛かります。お金のないときに繁忙期を迎えることも少なくありません。

市場単価の低下

どの業界にもいえますが、特に農業の市場単価の変動は大きく経営に影響します。収穫量が少なければ、食料自給率はおのずと下がり、輸入品が市場内に増えるため、国産の食料品は価格が上がりにくくなってしまうのです。

もちろん、ブランド食料品は別です。しかし、すべての農業がブランド化している訳ではありません。地域ごとに異なる気候や地形なども影響するため、安定した収入にならないのです。

農業のファクタリングの必要性

入金サイクルを早められるファクタリング。農業になぜファクタリングが必要なのでしょうか。

ひと昔前の農業収入はJA、農業共同組合が主体でした。種から肥料、農薬や農機具など、農業におけるほとんどを依存していました。近年、道の駅や直売所などが台頭したこともあり、農業におけるJAの依存度が下がります。

JA以外の収入は売掛債権として道の駅や直売所、スーパーなどで管理されるようになりました。支払いサイクルや販売手数料もJAと同等、もしくはそれよりも低く、より農業の収入ベースは高くなったといえます。

しかし、農閑期になると収獲できない=収入がないという状態になります。農閑期から繁忙期になるまでは、前年の農業収入で貯めていたお金を生活費にしているケースがほとんどです。

そんな農業も国の施策によって「農業法人」や「社団法人」として法人格が認められるようになりました。これまで個人で行っていた農業が一本化されたのです。ファクタリングは債権譲渡登記が必要なケースが多いです。登記ができるのは法人格に限られるため、ファクタリングによる資金調達が可能になりました。

農業にファクタリングが必要なタイミングは農閑期ではありません。収入がない時期の農繁期です。特に、台風などが多い季節です。

農業は外での仕事がほとんどですが、地域や農作物の種類や生育ではビニールハウスやガラス温室を使うこともあります。天災によって破損した施設などは、保険が掛かっていれば問題ありません。しかし、保険などがない場合は、手持ちの資金を使って再建しなくてはなりません。

ファクタリングは万が一に供えられる資金調達方法です。取引先である道の駅や直売所、スーパーなどの売掛債権を早めに資金化すれば、天災で失われた施設などの復旧が可能になります。

知識不足でのファクタリングは危険!

いくら農業でファクタリングができるからといって、ホームぺージの文言だけを鵜呑みにしては危険です。ファクタリングの基本的な知識は持っておくべきです。ここでは、ファクタリングの基本的な知識について解説していきます。

ファクタリングの基本は「売掛債権売却譲渡」

売掛債権を第3者であるファクタリング会社に売却することで資金を調達する金策です。お金が無くて、手元にある家電製品をリサイクルショップに持ち込んで現金化するような感覚、というと分かりやすいでしょう。

ファクタリングには債権法という民法466条が適用される、れっきとした金融工学です。中小企業庁や経済産業省もその有用性を認めています。

売掛債権を売却することで資金を調達するため、融資と違い将来的な負債にならないというメリットがあります。ファクタリングには、2つの取引方法があります。

  • 2社間ファクタリング…ファクタリング会社と利用者(売掛元)で行うファクタリング
  • 3社間ファクタリング…ファクタリング会社と利用者、取引先の3社で行うファクタリング

それぞれ取引方法やメリットが異なりますが、2社間は「スピード重視で手数料が高い」という点、3社間は「手数料が安いが取引先も交渉のテーブルに付かなければならない」という点が違います。

手数料とは、売掛債権総額に掛かるファクタリング会社の取り分です。法律で上限や下限%が決まっていないため、ファクタリング会社同士の「相場」によって割合が決まります。

  • 2社間…10%~30%
  • 3社間…5%~15%

手数料とは別に「掛け目」もあります。掛け目とは、ファクタリング会社に一旦預ける「留保金」を指します。通常は「担保評価率」を指す言葉ですが、ファクタリングにおいては、売掛債権の回収不能リスクを軽減させる保険金という扱いです。

掛け目留保金は取引先から売掛金が入金され、ファクタリング会社へ送金した段階で、手数料と諸経費が差し引かれた状態で返金されます。手数料+掛け目がファクタリングに掛かる費用と勘違いされていますが、実際は手数料と契約に関わる諸経費のみです。

変だな?と感じたら迷わず質問する

基本的な知識がない状態でファクタリング会社と契約するのは危険です。悪質な業者であれば、知識不足につけこんで相場以上の手数料を要求されることもあります。

分からない言葉や、何か違和感のある契約内容であれば、そのままにせず、きちんと質問をしてクリアな状態にしてから契約をしてください。債権売却譲渡の決定権は経営者の一存で決まるのです。会社の重要なお金は経営者である「あなた」だけが守れるのです。

農業こそファクタリングを最大限活用できる

天候などに左右されやすい農業は、万が一のときにはファクタリングを資金調達手段の1つに加えてください。借金にならないため、設立したての農業法人であっても与信リスクを避けることが可能です。ファクタリングでより計画的で余裕のある農業経営ができます。

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