ファクタリングは【売掛債権を資金化】する金融工学です。
売掛債権取引を行なっている企業にとって、回収不能となった売掛債権や入金期日に入金されないケースに直面した際、リスクヘッジにもなる便利なサービスになります。
しかし、どんなに便利なサービスであっても正しい知識が無ければ思わぬ損害を被ってしまうこともあります。
正しい知識を持ってファクタリングを利用する事で、事業の危機的状況を打開する一案を手にできるのです。
考えてほしい3つのこと
売掛債権にはリスクがあります。
- 売掛金が回収不能になってしまう
- 帳簿上は黒字なのに実際の流動資産が無い
- 売掛金の入金期日の遅れで黒字倒産も有りうる
これらを回避する手段としてファクタリングは有効なサービスです。
認知度も徐々に上昇しファクタリング利用者の増加に比例して、ファクタリング会社の数も増えてきました。
ファクタリング業界が賑わう事に比例して【利用者の知識不足】という問題の浮上が懸念されます。
- 忙しくてファクタリングの勉強や相談をする時間がない
- すでに何度も利用しているから知識は問題ない
知識をアップデートする事で、これまでに利用してきたファクタリング会社以外にも選択肢があることが見えてきます。
結果的に効率的な資金調達につながるのです。
- ファクタリングに発生する手数料
- 悪徳業者対策
- ファクタリングと手形割引の違い
ファクタリングの基礎知識をより深めることで、安定した事業遂行のために必要な資金を手してください。
ファクタリングに発生する手数料
ファクタリングで債券買取してもらう際、業務遂行に必要となる手数料が発生します。
手数料が引かれた分を資金調達することができるのです。
銀行融資とは違い、返済義務もありません。
手数料に関して現在法的規定がなく、ファクタリング会社によって独自に決定されている現実があります。
ファクタリング手数料に関わる法的規定
ファクタリング手数料は法律で定められていません。
2017年にファクタリングの法律と呼ばれる民法466条の改正が行なわれました。
しかし、手数料に関係した法改正では無かった為、ファクタリング手数料は法的に規定されないままになっているのです。
ファクタリング手数料の相場
ファクタリングの手数料は取引方法と相場で決まります。
取引方法は主に【2社間】と【3社間】の2種類です。
- 2社間ファクタリングの場合10~30%
- 3社間ファクタリングの場合5%~10%
取引方法による手数料相場の違いは、どのファクタリング会社でも同程度の比率で行なわれています。
利用頻度が高いのに関わらず、手数料の割引がされていないならば、契約内容の見直しで手数料を抑えられます。
- 他社への契約変更(乗り換え)
- 2社間取引を3社間取引に変更する
債権額によっては1.0%でも数百万円の経費削減に繋がります。
自社の利益拡大の為にもファクタリング手数料に関しては考えるべきことの1つなのです。
悪徳業者対策
ファクタリングを利用する際に悪徳業者への対策も忘れてはいけません。
消費者金融が全盛期だった2000年代初頭、大きな社会問題になったのが悪徳業者による法外な利息や取り立て手法でした。
その後、貸金業法が改正され、それまでグレーゾーンと呼ばれていた利息割合の上限が決まります。
上限以上で貸付を行なっていた金融業者は取り締まりの対象になったのは記憶に新しいです。
貸金業法で取り締まりを受けた【闇金】と呼ばれる悪徳業者が、ファクタリング業界に鞍替えしています。
実際に元闇金のファクタリング業者が悪質な契約や取り立てが原因で逮捕者も出ています。
あまり認知されていない金策だからといって無策のままでいることは危険です。
ファクタリングを取り締まる法律
ファクタリングの手数料は各会社間での相場によって決められています。
逆を返せば、悪徳業者が相場を無視して法外な手数料を請求しても罪に問われないということです。
法律の穴を突いて、悪質なファクタリングを行なっているのが悪徳業者なのです。
悪徳業者を見極めるポイント
現在契約中のファクタリング会社が悪徳業者では無いと断言できません。
悪徳業者の手口として、数回の取引で信用させてから悪質な取引契約を持ちかけるケースもあります。
これからファクタリングで資金調達しようと考えている場合も同様です。
インターネット上には甘い言葉で誘う広告が氾濫しています。
- 手数料業界最安値!○○%
- 電話一本で即日資金化可能!
悪徳業者の典型的な誇大広告ですので注意してください。
よく調べもせず広告の文言だけで飛びつくと後悔する可能性が高いです。
悪徳業者の可能性を見極めるチェックポイントを押さえてファクタリングを利用してください。
- 契約後に高額な手数料を請求される
- 電話が携帯電話のみ
- 見積書などの書類が粗末なもの
- 追加料金を請求してくる
- 契約書を作成してくれない
契約中のファクタリング会社に思い当たる節があれば警戒すべきです。
ファクタリングと手形割引の違い
ファクタリングは手形割引に似た金策です。
そもそも手形割引は形式上【借り入れ】にあたり、ファクタリングでは発生しない【利息】が発生します。
手形割引を簡単にいうと、【手形を担保に融資を受けること】です。
年利分を差し引かれた上で資金調達できるというのが、ファクタリングに酷似している要因になっています。
ファクタリングと手形割引の大きな違いは2つです。
- 不渡りリスクの有無(回収不能のリスク)
- 審査手法
不渡りリスクの有無(回収不能のリスク)
手形はあくまでも担保です。
不渡りになった手形は価値が無くなる為、融資された金融機関から融資金の返済を迫られてしまいます。
ファクタリングは、売掛債権の譲渡によって資金を調達する方法です。
その為、回収不能が起こったとしても調達した資金の返済を迫られる事はありません。
ファクタリングでは手形割引で起こりえる不渡りリスクを、売掛元が負う必要は全くないのです。
審査手法
ファクタリング審査では、売掛元の財務状況が審査されるのではなく、売掛先の財務状況などが対象です。
中小零細企業の中には、年度末の決算で赤字状態のまま次年度繰り越しをする所も少なくありません。
手形割引は不渡りリスク回避の為、厳しい審査が行なわれます。
財務状況次第では、資金調達できないのが手形割引です。
ファクタリングは、売掛債権が契約書に記載されている入金日通りに入金される事が重要視されます。
その為、売掛元の審査よりも、売掛先の財務状況などが重視されるのです。
資金調達していた取引方法が実は手形割引だったということにならないように、ファクタリングの定義について考えておくべきなのです。
ファクタリング知識をアップデートして攻守に盤石さを持つ
ファクタリング知識をアップデートすることで【効率的な資金調達】はもちろん【悪徳業者対策】も可能です。
『頻繁にファクタリングを利用しているから私の知識は大丈夫!』というのは慢心です。
日々更新されていく情報をキャッチし、古い知識をアップデートしなくてはなりません。
攻めのファクタリングで財務状況を改善し、アップデートした知識で悪徳業者から自社を守れるのあなただけなのです。