福岡県福岡市。日本でも屈指のビジネス県です。近年、中小企業の資金繰りに有効と注目されているファクタリングですが、福岡市内に多くのファクタリング会社が増えていることは、あまり注目されていません。
東京、大阪に次いでファクタリング事業所が多い福岡県。コンパクトシティといわれている福岡市のファクタリング事情についてまとめていきます。
ファクタリング業界が注目する福岡県!どうして?
なぜ、ここまで福岡にファクタリング会社が集まっているのでしょうか。福岡という都市そのものの魅力もありますが、ファクタリング業界にとって、それ以外の大きな理由がありました。
福岡市内には中小企業の数が多い
ファクタリング業界が福岡県に注目しているのは、ファクタリングのメイン顧客となる中小企業の数が多いからです。また、新規起業も多く、開業資金やつなぎ資金などの「ニーズ」が高いことも理由として挙げられます。
ファクタリングは、売掛債権を売却して資金調達する金融工学です。経済産業省や中小企業庁なども利用を推奨しています。ファクタリングを活用して企業の資金が社会に流れれば、経済にも好影響を与えます。
経済が上手く循環すれば、景気も上昇するのです。大企業が頑張るだけでは経済を上向きにできません。中小企業が資金力を付けることで、経済が上手く回るのです。
福岡県の企業数は2016年6月時点の統計調査で「135,389事業所」と発表されました。そのうち、中小企業数が135,082事業所と、九州沖縄地区ではダントツを走っています。経済予測では、今後も新規起業などが増えると見込まれています。
コンパクトシティ福岡市はファクタリング業界にとって嬉しいモデル地区
新規起業数が多く、今後もインバウンドなどの影響で、経済的に潤沢になる可能性を秘めている福岡県福岡市。福岡市はファクタリング業界にとってまさに「稼ぎ場」なのです。
福岡市は「コンパクトシティ」といわれています。空港から中心市街地までの距離が短く、世界の主要都市の中でもトップクラスの環境です。空港や会議室、イベント会場や市街地などが半径2.5kmにある上、都心部には観光資源も豊富です。
利便性の高さと、経済成長の可能性が高い土壌。新規起業を含む中小企業が多いのも納得です。福岡市に事業所を置くファクタリング会社は、売上はもちろんですが、それ以外のメリットも多いのです。
それが、ファクタリング会社のステータスでもある「取引件数」です。福岡市の産業割合は第三次産業が9割を占めます。特に多いのが、卸売業・小売業です。次いで宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業と続きます。
最近では、高額ファクタリングよりも少額ファクタリングのニーズが高くなってきました。ファクタリング業界としては、新規顧客が多く集まる福岡にこそ、今後のビジネスチャンスを見出しているのです。
注目しているのはファクタリング業界だけではない?
福岡に注目しているのは、ファクタリング業界だけではありません。日本の経済界そのものが福岡に注目しているのです。
東京本社の移転先は福岡市
2017年に発表された帝国バンクの東京から福岡への転出企業数は、なんと「18社」でした。2016年の転出企業数は4社だったため、およそ4倍以上の企業が福岡に移転先を決めています。首都圏からも遠い福岡。なぜ福岡に企業が集まるのでしょうか。
その大きな理由の1つとして、近年警戒されている「南海トラフ地震」の影響があります。東日本大震災で多くの企業がダメージを受けました。地震による経済停滞を回避するために、福岡へ移転する企業が多いのだとか。
もう1つの理由が「マーケティングと人材確保」です。福岡市や北九州市はお隣の韓国や台湾などの東アジア各国の玄関口としても知名度が高いです。一時期に比べてインバウンド消費は少なくなってきたものの、将来グローバル展開を見据えている中堅企業にとっては、攻めの移転ともいわれています。
人材確保は、日本全国にはびこる問題です。IoTやAIといった最新技術が経済界に影響を与えてはいるものの、企業の充足率には大きな差があります。福岡市は国家特別戦略区域に指定されています。
国家戦略特別区域~創業のための雇用改革拠点・福岡市
この国家特別戦略区とは、第二次安倍内閣が成長戦略の1つとして掲げたものです。福岡市の国家特別戦略内容は「創業のための雇用創出」です。福岡市内の人口流入率は右肩上がりに増加しています。人口が増えると、新たな雇用先も必要になります。この雇用創出を国を挙げて戦略的に行っているのが福岡市なのです。
企業のほとんどは、人材不足が顕著です。少子高齢化に伴い、作業の自動化などが推進されています。しかし、経営者も高齢化しているため、自動化や機械化だけでは倒産や解散を避けられない状況になっているのです。
人口の流入が顕著な福岡市。人材を確保したい企業。需要と供給のバランスが、福岡市に本社を移転している理由の1つなのです。
福岡県に事業所を置くファクタリング会社の特徴とは?
福岡市内に事業所を置くファクタリング会社は、九州特化型や西日本特化型が多いです。特に地元企業との結びつきが強く、福岡市内のみならず福岡全域に影響力のある企業とのパイプが敷かれています。
福岡県発祥の大企業が多い
福岡県内には、東証一部上場企業が多いです。福岡発祥で全国展開している企業といえば、インターネットサービスSoftbankやガソリンスタンド大手の出光興産、話題の日産自動車やブリヂストンなどが挙げられます。
福岡で力を付け、その後首都圏へ進出している企業が多いです。建築会社大手のタマホームやインターネット関連サービスのGMOパペポなど、様々な業種が多いことも特徴です。
福岡に事業所を置くファクタリング会社の特徴
福岡市内に事業所を置くファクタリング会社は数多くあります。ほとんどの会社に共通していることが次の3つです。
- 県内特化・九州特化・西日本特化が多い
- 上限金額が5000万円、下限金額が10万円など幅広い
- 実績豊富な会社が多い
それぞれを詳しく解説します。
県内特化・九州特化・西日本特化が多い
地元企業や九州企業との結び付きが強いです。もちろんホームページなどで新規顧客の開拓は行っていますが、地元企業同士の口コミなどから顧客を獲得することが多いようです。
福岡市内の中小企業は、横のつながりが非常に強く、企業間の情報交換が頻繁に行われています。ポジティブな情報もネガティブな情報も、中小企業同士のコミュニケーションによってシェアされているのです。
ファクタリング会社に地域特化型が多いのは「面談」を積極的に行うためです。インターネットで、申込から入金まで可能なファクタリング会社も増えてきました。福岡県内のファクタリング会社は、何が何でも「面談」を重視します。これは、ファクタリング会社の意向ではなく、利用する企業が求めるからです。
きちんと顔を見せた取引がしたい。インターネット全盛期の時代に、あえてアナログな取引を求め、そこに安心を見出す企業が多いことが分かります。
上限金額が5000万円、下限金額が10万円など幅広い
東京や大阪に事業所を置くファクタリング会社は、大企業相手の取引が多いため、1億円以上の債権買取上限額を設定しています。福岡のファクタリング会社は、最高でも5,000万円という会社が多いです。
また、中小零細企業や個人事業主も利用しやすい10万円程度を下限買取額にしている会社も多いです。資金繰りを円滑にすることで、将来的な企業の成長を促せます。まさに、「創業のための雇用創出」を推進する国家戦略特区なだけあるということですね。
実績豊富な会社が多い
様々な業界の中小企業が多いため、取引実績が豊富なことも福岡のファクタリング会社の特徴です。ファクタリング会社の中には、建設業しか扱ったことがない、診療報酬しか扱ったことがないという偏った実績を持つ会社が多いです。どんな業種にも柔軟に対応できるのは大きな強みといえます。
福岡の中小企業がファクタリング業界をけん引する!
東京、大阪に次いでファクタリング事業所が多い福岡県。日本経済の中心になる可能性も秘めています。今後も多くのファクタリング会社が福岡に事業所を置く可能性が高いです。
福岡の中小企業がファクタリング業界をけん引し、実績を積んだファクタリング会社が日本の経済を円滑に回します。ファクタリング=福岡といわれる日も遠くはないでしょう。