ファクタリングの審査を通しやすくするために必要な3つのポイント

ファクタリングの審査を通しやすくするために必要な3つのポイントファクタリングを利用するときに知っておきたいこと

売掛債権を売却譲渡して資金調達を行なうファクタリングには、金融機関の融資のように審査があります。

しかし、融資とは毛色の異なる資金調達方法であるため、審査の内容は融資とは全く異なるのが特徴です。

今回はファクタリングの審査を通しやすくするために必要な3つのポイントについて詳しく解説していきます。

ファクタリング審査で何を審査されるのか?

ファクタリングの審査でチェックされる項目は、ファクタリング会社によって異なってきます。

ここでは、特に重要なファクタリング審査を通過するためのクリティカルな部分に絞って、3つのポイントを挙げていきます。

ポイント1:売掛債権を回収できるか否か

ファクタリング会社にとって、売掛債権を購入しても、その債権金額がきちんと入ってくるかどうかというのが一番重要なポイントです。

そのため、売掛先が売掛債権の金額をきちんと支払える状況(財務状況や業績状況)にあるのかどうかをチェックされます。つまり売掛先の信用が大切なのです。

売掛先の状態が悪く、債権回収の見込みが立たないという場合には、ファクタリング審査の通過はかなり難しいです。もしファクタリングできたとしても、ファクタリング会社のリスク回避のために、相場よりも高めの手数料が発生する可能性もあります。

参照 ファクタリングの手数料

 

また売掛先の経営状況以外の部分では、債権自体の信憑性もチェックされます。なぜならファクタリングの世界では架空の売掛債権を利用した詐欺が発生することがあるためです。

過去に売掛先と売掛元が共謀して巨額のファクタリング取引を行ない、計画倒産をしてファクタリングで得た資金を不正に詐取したという事件が起こったためです。

参照 不正にファクタリングを利用すると詐欺に該当する可能性も

 

売掛先との契約が継続的なものであるのかという点や、本当に実在する売掛債権なのかという点も重要なポイントです。必要な提出書類に企業の預金通帳のコピーや債権の請求書、納品書などが求められるのは、ファクタリング会社側のリスクヘッジの意味合いがあるためです。

ポイント2:いつ回収できるのか

高額な売掛債権を持っていたとしても、回収できるのが半年~1年後のような期間の長い売掛債権は、ファクタリング審査に落ちる可能性があります。

ほとんどのファクタリング業者は、最大でも6カ月後の債権まで買取対応している場合が多く、1年後や半年以上後のものは買取を断らわれるケースもあります。回収までの時間が長ければ長いほど、リスクが高くなるためです。

ファクタリング会社の回収予測に不安を与えないように、債権の入金期日が遅いものはファクタリング取引が難しいということを覚えておいてください。

ポイント3:利用者の人柄を見られるケースも

最近多く聞こえてくるのが、面談式のファクタリング会社による人柄を重視した取引です。これまでは、売掛先と売掛債権の審査だけを重視していましたが、利用者の人柄によって手数料が上下するというケースも多くなってきました。

お金を扱う上で重要なのは「信頼」です。利用者とファクタリング会社の間で信頼関係が無ければ、二重譲渡のような問題も起こりやすくなります。そのため、利用者の人柄も重視され始めているのです。

銀行系ファクタリング会社は利用者の財務状況もチェックする

あくまで例外ですが、メガバンクなどが出資している銀行系ファクタリング会社では、融資同様に利用者の財務状況も細かくチェックされます。本来はノンリコース(償還請求権無し)で行われることが多いファクタリングですが、銀行の場合はノンリコースではない場合がほとんどです。

万が一売掛先が倒産などをしてしまった場合、ファクタリングで得た資金は、売掛元(利用者)から回収します。そのため、利用者の財務状況などをチェックされるのです。赤字決算や、税金の未納などがあると、ほぼ確実に審査の通過は難しくなります。

参照 ノンリコース(償還請求権)とは

 

3社間ファクタリングでも特殊な位置にいる医療費ファクタリング

医療費ファクタリングは原則3社間ファクタリングです。しかし売掛先は、国民健康保険組合と、社会保険組合のどちらかです。売掛先が国家機関や大企業ある場合が多く、資金化できる金額も高めです。

医療費は基本的に3割負担がベースです。残りの7割は、診療費用が発生してから2ヶ月後に入金されます。その期間で予想していなかった出費を求められると対応できない場合がほとんどです。そんな時に利用しやすいのが医療売掛債権のファクタリングです。

利用者、国民健康保険組合、ファクタリング会社の3社間で行なわれる取引ですが、実際は売掛元とファクタリング会社の2社間ファクタリングに近いのが特徴です。

2社間と3社間で異なる審査ポイント

ファクタリング取引には2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2通りがあります。それぞれで若干の審査ポイントの違いがあります。

2社間の審査ポイント

2社間ファクタリングは、利用者(売掛元)とファクタリング会社の2社で行われるファクタリング取引です。

審査は売掛先の企業と、売掛債権そのものを審査されます。特にチェックが厳しいのは、売掛先の経営状況です。

万が一債権が焦げ付く(貸し倒れになる)場合、どれだけ手数料を多く回収しても、大損してしまうのはどの会社も同じです。2社間ファクタリングは、債権譲渡通知を売掛先にする義務がファクタリング会社に発生しないため、利用者とすればありがたい取引方法です。しかしファクタリング会社にとっては、ハイリスクハイリターンな取引方法として有名です。

2社間の場合、売掛債権金額の入金は、利用者に一任されます。万が一資金不足で、本来ファクタリング会社に支払うはずのお金を使い込んでしまった場合、かなり大きな問題に発展します。そのため、利用者の人柄が重視され始めているのです。

参照 2社間ファクタリングとは

 

3社間の審査ポイント

3社間ファクタリングは、2社間の対象者である利用者とファクタリング会社に加え、売掛先も契約のテーブルにつかなければなりません。

3社間の審査ポイントでは、売掛先の状況はもちろんですが、売掛先と売掛元の関係性や過去の取引履歴を重点的にチェックされます。

架空債権ではないか。共謀して資金を詐取しようとしていないかなど、犯罪防止という観点が加わってくるのです。3社間ファクタリングの審査を通しやすくするためには、売掛先との信頼関係を強固にした上でお互いに納得した状態で契約申し込みを行なうことをオススメします。

参照 3社間ファクタリングとは

 

審査ポイントをおさえて効率的な資金調達を

ファクタリングの審査通過のためには、ファクタリング知識はもちろん、審査の対象で人的なエラー(記入ミスなど)を起こさないようにすることが重要です。今一度提出する書類の確認や、売掛先との信頼関係の向上など、人的、法的な部分を抑えておきましょう。

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