クラウドファンディングとファクタリングの併用で効果的な事業運営をする方法

資金調達方法の新しい手法「クラウドファンディング」は、インターネット全盛の今の時代にマッチしている資金調達方法です。日本経済で当たり前の取引方法である「売掛払い」も、日本の商取引において重要なポジションにいます。ABLや越境ECで起こりうるリスク、債権の不渡りや売掛金の回収不能リスクなど、売掛取引で不安視されていたことが「ファクタリング」で解決できるのです。

クラウドファンディングとファクタリング。両方とも仕組みが全く異なる資金調達方法です。この2つを理解することで、融資や株式増資とは違う第2、第3の資金調達手段の選択肢を広げられます。

クラウドファンディングとファクタリングを併用した資金調達方法とは

インターネットで出資を募る「クラウドファンディング」は、ベンチャー企業やIT系プロジェクトで利用されることが多い資金調達方法です。対してファクタリングは、売掛債権を第3者に売却する資金調達方法です。建設業や農業など、インターネットの活用頻度が少ない業界でも利用されています。

両方を適切なタイミングで運用すれば、運転資金や新規サービスに必要な資金が効率的に調達できます。両方を併用する上で重要なポイントは

  • 資金入手までのスピード
  • 必要な金額
  • 資金の利用目的

が挙げられます。

資金の活用方法やどのような状況で必要な資金なのかを明確にすることで、2つの資金調達方法を使い分けられるのです。

クラウドファンディングとファクタリングの言葉の意味は?

クラウドファンディングとファクタリング。横文字同士で同じ「ファ」と「ング」が名称に使われています。クラウドファンディングは英語表記にすると

Crowd Funding

となり、ファクタリングは

Factoring

と表記されます。直訳すると

「Funding=資金調達」
「Factoring=債権売却による資金調達方法の名称」

です。ファンディングは商工ファンドのような資金調達をする行為そのものを指します。対して、ファクタリングは売掛債権を第三者に売却する資金調達サービスの名称です。

スピード重視ならファクリングを選ぶべき

クラウドファンディングとファクタリングの大きな違いは資金調達までの「スピード」です。ファクタリングは売掛債権さえあれば、最短で申し込んだ当日中に資金を手にできます。

クラウドファンディングは、インターネット上で出資を募るために色々な準備が必要です。リターンと呼ばれる出資者への返礼品やクラウドファンディング募集ページの作成など、資金調達開始から実際に手元にお金が集まるまでに、膨大な時間と手間がかかります。一刻も早く資金調達をしたいのであれば、クラウドファンディングではなく、ファクタリングの利用がオススメです。

クラウドファンディングの基本

クラウドファンディングはインターネット上で資金を調達する方法です。一般的に行われている方法は購入型と寄付型です。

購入型とは、新規事業や新規サービスに対して出資者を募る方法です。出資金に応じた「リターン」と呼ばれる商品やサービスを対価として提供します。募集株式の配当金のようなお金でのリターンは基本的にありません。

購入型には「All or Nothing型」と「All In型」の2種類の仕組みがあります。All or Nothing型は募集目標金額が達成した場合に限りプロジェクトが成立されます。もし達成しない場合は出資者に全額が返金される仕組みです。All In型は、目標金額に達成していなくてもプロジェクトの成立が認められ、資金として活用できます。基本的には「All In型」のクラウドファクタリングがほとんどです。

寄付型は、資金の目的が社会貢献に関わる内容の場合に限り利用できる方法です。災害時の募金などで活用されています。

クラウドファンディングの注意点

クラウドファンディングを行う上で注意すべきことは「資金の使い道」です。資金調達という意味の英単語ではありますが、調達した資金は企業の「つなぎ資金」や「経費の支払い」には利用できません。

起業資金や新規サービス、新規商品開発など、これから新しい「何か」を始めるときに活用できるのがクラウドファンディングの資金です。資金繰りが厳しくて行う資金調達ではないことを覚えておきましょう。

クラウドファンディングのメリットとデメリット

クラウドファンディングには資金の使いみちや、インターネットで手軽に資金調達ができるなどのメリットデメリットがあります。それ以外のメリットデメリットを覚えておきましょう。

クラウドファンディングのメリット

  • 実現が難しかった事業に対して資金調達ができる
  • リターンを活用した広告もできる

銀行融資の審査などで新規事業の開業資金や設備投資という名目だと、融資が断られるケースも少なくありません。クラウドファンディングの実施には審査が必要ありません。アイデア止まりだった事業を実現するための資金が調達可能です。

出資者に対するリターンで広告効果も期待できます。例えば、マッサージ事業なら出資金に合わせた割引クーポンなどがあります。リターンを利用してもらうことで、売上にもつなげられるなど、様々なマーケティングに活用可能です。

クラウドファンディングのデメリット

  • 100%資金調達できる保証がない
  • 支援者を選べない

インターネットで出資者を募るため、出資者が興味を持たなければ資金を出してもらえません。クラウドファンディングの募集ページはもちろんですが、出資者が「必要だ!応援しよう!」と思う事業でなければ、資金を集めることすらできないのです。集まらなければ事業がスタートできませんし、集まったとしても目標金額を達成していないため、理想とする事業にならない可能性もあるのです。

支援者を選べないというのもデメリットになり得ます。特に、反社会的勢力の支援者には注意が必要です。提示してある以外のリターンを求められたり、金品をリターンに求められた李と悪質な被害も実際に起こっているのです。

ファクタリングの基本

ファクタリングは、売掛債権を第三者であるファクタリング会社に売却することで資金を調達する方法です。利用する際には、売掛債権総額の5%~30%が「手数料」として支払わなければいけません。また、不渡りリスクごと譲渡することになるため、ファクタリング会社のリスク分として、売掛債権に「掛け目」が設定されます。

本来の掛け目は、担保評価率を意味しています。しかし、ファクタリングは融資では有馬園。担保というよりはファクタリング会社が負う分のリスクという意味合いが強いです。

一般的な取引方法には、主に2つが挙げられます。

  • 2社間取引…売掛元と売却先の2社間で行われる取引
  • 3社間取引…2社間取引の両社に売掛先を加えた取引

ファクタリングの基本として覚えておきましょう。

ファクタリングのメリット

ファクタリングのメリットとデメリットは2社間取引と3社間取引で若干異なります。共通しているモノと取引方法によって異なるメリットを把握しておくことが重要です。

参照 ファクタリングのメリットとデメリット

 

2社間と3社間共通のメリット

  • 売掛債権を期日前(入金前)に資金化できる
  • 融資と違い将来的な負債にならない
  • 審査対象が利用者ではなく売掛先と売掛債権の信憑性が重視される
  • 償還請求権無しの場合はリスクヘッジが可能
  • 保証人不要で手続きも簡単
  • 信用情報に掲載されない

ファクタリング利用のメリットで最も大きいのが「審査」です。融資などでは、利用者の返済遅延や倒産による返済不能を防ぐ目的で財務状況が事細かにチェックされます。ファクタリングは、売掛債権が架空債権ではないか、取引先に倒産の恐れはないかさえチェックできれば資金化が可能です。

償還請求権とは、万が一取引先が倒産して売掛金の回収ができなくなった場合、利用者にファクタリングで得た資金の返済を請求できる権利です。ほとんどのファクタリング会社は償還請求権無しでの取引が主流ですが、まれに償還請求権有りの取引になるケースもあります。

ファクタリングは大前提として融資ではありません。信用情報機関に利用履歴などが記録されません。しかし、債権の二重譲渡を行ったり、故意にファクタリング会社に支払うべき入金後の売掛金の送金を遅らせたりすると、刑事告訴されてしまうため絶対にルールを逸脱しないようにしてください。

参照 ファクタリングの信用情報について

 

2社間のメリット:最短即日での資金調達が可能

2社間ファクタリングのメリットは「スピード」です。申し込んだ企業とファクタリング会社の2社で行われる取引のため、審査通過次第、資金調達が可能です。最短で申し込んだ当日での資金化もできるため、急な支払いが発生した場合や売掛金の入金前の「つなぎ資金」としても活用できます。

3社間のメリット:手数料が安い

3社間のメリットは手数料の安さです。ファクタリングの手数料相場は5%~30%が相場です。内訳は2社間が10%~30%、3社間が5%~15%になっています。5%の手数料となると、長期返済のビジネスローンクラスの金利です。売掛債権総額が高いほど手数料が安くなる3社間を選択すべきでしょう。

ファクタリングデメリット

ファクタリングのデメリットも2社間と3社間で異なります。共通のデメリットも合わせて解説します。

2社間と3社間共通のデメリット

  • 手数料が発生する
  • 譲渡禁止特約付きの債権の場合、取引先への通知が必須となる

手数料は売掛債権総額に応じてパーセントで発生します。先ほども述べたように手数料の相場は5%~30%です。なぜ「相場」なのかというと、融資などで定められている「貸金業法」がファクタリングの手数料には適用されないためです。

ファクタリング会社同士で相場があり、2社間と3社間で手数料%が異なります。手数料は、売却損に含まれます。売掛債権を資金化するといっても、100%の額面では資金化できないのです。

参照 ファクタリング手数料について

 

債権譲渡禁止特約とは、売掛債権が取引をしている2社以外の手に渡ることを防止する約束です。特約を付けておくことで、売掛債権が反社会的勢力に渡ったとしても、その効力を発揮できなくしているのです。

2020年4月から施行される改正債権法では、この債権譲渡禁止特約そのものが無効となります。これまでは秘密裏にファクタリングできていたことが、通知必須となるのです。売掛取引の際には、会社同士のコミュニケーションを更に密に取っておくことが重要になります。

2社間のデメリット:手数料が高い

2社間のデメリットは手数料の高さです。相場別に見ても15%~30%と、3社間に比べかなり高くなります。資金入手までのスピードは早いですが、その分手数料も多く掛かってしまいます。2社間取引を利用する際は、支払いまでの期限が短い場合など限定した使い方をした方が良いでしょう。

3社間のデメリット:資金化までのスピードが長くなる可能性がある

3社間取引を行う際、重要になるのは取引先も契約を承諾しなくてはいけないという点です。審査などが終わっていたとしても、取引先が承認をしなければ資金調達はできません。面談契約が必要な場合は、日程調整なども必要です。

お互いのメリットデメリットを比較して上手な資金調達を行う

クラウドファンディングとファクタリングは資金調達という意味では似たような性質を持っています。しかし、資金の使い道やメリット、デメリットに関してはそれぞれが独自の特徴を持っているのです。運営資金にはファクタリング、新規事業などにはクラウドファンディングを活用して上手に資金調達を行うことが大事なのです。

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